旅人が行き交う癒しの地 三重県
日本の中央に位置し、古い歴史・文化を育んできた三重県。複雑な輪郭のリアス式海岸にふちどられた志摩の海、世界遺産に登録された熊野古道など、豊かな表情をもつ自然の宝庫でもあります。地形が南北に長いため、さまざまな山海の幸にも恵まれ、食通で知られる池波正太郎を始め数多くの有名作家らの舌をも楽しませてきました。 |
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無許可では旅ができなかった江戸期に唯一、自由に行けたのがお伊勢参りでした。伊勢は庶民の憧れで、皆こぞって出かけ、その内に、大集団で出かける「おかげ参り」が、60年周期で大流行するようになりました。この旅はある日突然無一文で出かけても問題なし。笠、野宿のためのゴザ、施しを受けるための柄杓を1本持った旅姿を見れば「お伊勢参り」とひと目で分かり、道筋の家々が食べ物や宿泊場所を与えてくれたのです。また、主人の代わりに犬が参宮することもありました。人々に可愛がられながら無事にお参りを済ませ、最初に持っていた賽銭を何倍にも増やして帰ることもあったようです。 |
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松尾芭蕉は、忍者の里として有名な伊賀で生まれ、29歳までをそこで過ごしました。伊賀市内には、「芭蕉翁生家」、処女句集『貝おほい』を執筆した「釣月軒」、芭蕉翁五庵のうち唯一現存する「蓑虫庵」、芭蕉に関する資料が多数保存された「芭蕉翁記念館」などがあり、俳聖・松尾芭蕉の原点をたどることができます。句牌もあちこちに点在しているので、芭蕉ゆかりの地めぐりをするのも一興です。 |
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伊勢名物・赤福餅で有名な「赤福」では、毎月一日、月替わりの和菓子「朔日餅」が販売され、人気を呼んでいます。朔日餅はそもそも、一ヶ月を無事に過ごせたお礼として、毎月一日に「朔日参り」に訪れた客をねぎらうために始められました。それが口コミで広がり、そのうち、朔日餅を買うために早朝、暗いうちから行列ができるようになったのです。なお、正月だけは朔日餅はなく、赤福餅が売られますが、「正月の赤福は普段と味が違う」という噂も…。真偽のほどは舌で確かめてみてください。 |
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三越創業者は伊勢商人
「江戸に多きもの 伊勢屋、稲荷に犬の糞」と言って、江戸には伊勢商人が大勢いました。伊勢商人は画期的なアイデアで商売を成功させることでも有名で、その代表例が三越の創始者・三井高利です。当時の商法は得意先に品を持ち込んで売り、ツケで盆暮れに支払うのが主流でしたが、高利は「店頭売り」「現金払い」に変えました。金利がかからないことで店は大評判になり、三越の前身「越後屋」は大きくなっていったのです。 |